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私達の取り組み

ベストショット(画像をクリックすると拡大します)





狩猟の経験はありませんが、野鳥の撮影はそれと同じようなものだと、獲物を探しながら笑ってしまうことがあります。
カメラは猟銃、シャッターボタンは引き金です。カメラには鳥用に照準器(照準器とは狙いを定める際に用いるものです)まで装備しています。さらに首からは双眼鏡を下げ、迷彩柄の帽子を深く被り、マスクは目立ちにくいグレー色。カモフラージュの上着まで着ていて、もはやハンターと同じいでたちです。
そんなことで今回は野鳥を撮りました。
冬の木々は落葉して遠くまで見通しがきくので写真を撮るには以外といい季節です。熟した木の実や果物をみつけたらしめたもの。ジッと待っていると必ずやってきます。
獲物のいる場所が明るいか暗いか逆光かで撮影条件が変わるのでレンズの先の光の状況を確認しながらISO感度と絞りとシャッタースピードをこまめに切り替えながら足音を忍ばせ一歩一歩ゆっくりと歩きます。獲物がいたらすぐ連写できるようにシャッターボタンからは手を放しません。
獲物を先にみつけるか、獲物に先に見つかるかで撮れ高が大きくかわります。大抵の場合先に見つかり飛び去られることのほうが多く、いくら人間が感覚を研ぎ澄ませたところで野鳥に敵うものではないことはわかっているのですが、できるだけ近くに寄ってドアップな写真を撮りたいのです。
彼らは安全な距離を知っていて安全圏内ならしばらく留まってかわいい表情を見せてくれることがときどきあります。
いつも行く場所には見慣れた種類の鳥しかいませんが会心の1枚が撮りたくて何度も足を運んでしまいます。
ホオジロ・メジロ・モズ
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2023 1月  城内勝夫







■街中の紅葉
県庁前の銀杏並木の紅葉を撮りたくて一番電車に乗りました。
地下鉄から出て空を見上げると天気は上々、街はまだ人も疎らで条件は最高だったのですが
ビルの角を曲がり期待の思いで並木通りを覗いてガッカリしてしまいました。
葉は青く、紅葉にはまだ少し早かったようです。
せっかく来たので朝の大桟橋や山下公園を散歩して帰りました。

帰り道、住宅の中に真っ赤な蔦に飾られた家をみつけ写真を拝借しました。
蔦には冬蔦と夏蔦があるそうで、紅葉するのは夏蔦だけとか。
葉色と枝のバランスがいい所を探して部分的に切り取りました。
こうすればもう一つの美しいイラストレーションと同じです。
壁に飾り部屋の中でも秋を楽しむことができます。

次の日の通勤道でメタセコイヤとケヤキが色づいていることに気付きました。
その次の日、カメラを忘れたので携帯で撮りました。
木々の間から朝日が差し込むと落ち葉は一層鮮やかな金色に輝きます。
サクサクとやわらかな絨毯の上を歩いて、職場にむかいました。
しばらくはこの景色を楽しめそうです。

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2022 秋  城内勝夫







ランタナとセセリチョウは我が家の家族のようなものです。
地球温暖化で気候が不安定でも時期が来ると花を咲かせます。
するとどこからかセセリチョウがやってきて花から花へ飛び回ります。
セセリチョウは日光が大好きで天気のいい日は長く花に止まって蜜を吸い続けますが、西日になって風が吹き出すと落ち着きが無くなり写真が撮りづらくなります。

彼岸花を植えた記憶はありません。
何年か前に1本咲いたときは紅い花の色と形を見て不思議な花だと眺めました。
次の年は数本に増え更に次の年は倍に増え、今では二十数本の花を咲かせます。
開花した花は二日と持たず、チャンスを伺いながら写真に収めます。

海岸に咲くユリの花も夕陽の色に染まってしまいました。
ユリには数えきれないほどたくさんの種類があります。
同じ名前のユリでも自生する場所や環境によって色や葉の形も少し変わります。
どのユリを見ても私には同じに見えてしまって正確な名前はわかりません。

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城内勝夫







■海を忘れた君へ。

 青い空、
  白い雲、
 光る海、
   寄せる波、
 そよぐ風、
    はしゃぐ声、
 灼ける肌……

海はいい。いくつになっても海はいい。
ビーチサンダルを買って海へ来なさい。
海に来てのんびりしなさい。

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梅雨明け宣言のあとに梅雨が来たような今年の夏ですが、
やっと今年も夏のピークを迎え、人気もまばらな砂浜にさらさらと静かに波が寄せています。
この季節だけは、海のそばに住んでいる幸せを感じます。
2022 夏 城内勝夫







春はただ自転車に乗って家を出る。
丘に登る。
大海に向かって進む船を眺める。
目を細めて空を見上げる。
冬の間に白くなってしまった腕を太陽にかざす。
春の匂いを深く吸い込み瞼をとじる。
春はまたカメラを担いで野も歩く。
緑萌える草むらに寝転ぶ。
耳をすます。
静かに起き上がりカメラをセットする。
待つ。
気配を殺してジッと待つ。

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春は全てが生まれ変わるような気がする。
野山の植物は次々と芽吹き、くすみ一つない新緑に塗り替わる。
土の中から這い出たばかりの昆虫たちは蜜を求めて花々を行き交う。
鳥たちは美しい囀りで鳴きかわす。
人間達もまた清しい気持ちで生まれ変る。
春はいい。春は希望の季節だ。春は楽しい。

城内勝夫







日本の秋です。
和風です。雅です。
その趣はクリスマス、そしてお正月の色彩でもあります。

紅と黄そして緑の色は食欲増進とともに人を癒してくれる効果もあるといわれていますが、
対照的に興奮させ疲労感も与えてしまうようでもあります。
カメラを手にした人は誰よりもいい写真を1枚でも多く収めようと歩き回り、知らずのうちにお互いの領域を侵しあいます。
人の姿の入らない素の紅葉写真を撮れるのはごくごく稀です。

神奈川県 大山の秋

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秋に関連して、木枯らしの中の猫です。

当社の猫カレンダー2015用にと思っていたのですが、
忘れていました。

城内勝夫